新規に農業に参入しようとする場合、農地所有適格法人とリース法人、どちらを選ぶのが良いでしょうか。

これは、状況による、と答えざるを得ません。

一般論として、リスクと費用を抑えようとするのであれば、いきなり農地所有適格法人を設立するのではなく、まずは一般法人としてリース方式を利用するのが無難と言えます(リース法人)。

従来の事業を営む会社の一部門として借りた農地で農業を開始し、先行きの売上の見通しが立ったなら、改めて農地所有適格法人を設立し、農地も買い受けるという流れとなります。

ただ、農業が軌道に乗って来たから法人化しようとしても、地主が農地の売り渡しにまで同意してくれるとは限りません。

それでも利用はできるのであれば良いのですが、伝え聞きの話ではありますが、耕作放棄地に近い農地を借り受けて頑張って再生してメンテナンスも欠かさず、作物が栽培できるようになった段になって地主から賃貸借契約の終了、農地の返還を求められたというケースも聞きます。

そこで、最初から農地所有適格法人を設立し、農地も所有権を取得して営農しようとしても、どうしても上手くいかずに休廃業となれば法人の設立費用も無駄になってしまいます。

また、このような場合は農地が耕作放棄地化する危険があり、そもそも農業委員会が所有権取得の許可を出すかどうかの判断に影響を及ぼします。

結局、当該法人の農業のノウハウ、人材、資力、地主と締結しうる契約の内容などを勘案して個別に判断するほかないと思われます。