農地所有適格法人の設立には、新たに法人を設立するほかに、既にある会社を利用することも可能です。
具体的には、既存の会社の事業目的に農業関連業務を入れ、役員を変更する登記を行い、株式を譲渡する等です。
ただ、農地所有適格法人には、いくつかの要件があります。売上の過半が農業関連事業によるものである事、議決権、役員の過半が農業関係者であること等です。
これらの要件は設立時に限らず、その後も維持される必要があります。
この点、休眠会社を利用する場合であれば、通常、農地所有適格法人の要件は充たすことができるでしょう。
これに対し、既存の会社が事業を行っている場合は注意が必要です。
農業以外の事業の売上は農業の売上を越えてしまわないように注意する必要がありますし、役員の過半は農業の常時従事者であるため、会社の事業活動の枷になる可能性もります。
他面、既存の法人を利用する場合は費用は抑えられます。
既存の会社を農地所有適格法人化するかは、従来の事業の今後の見通しや取り扱いに注意が必要です。