農林業に関してのドローンの活用方法としては、農薬の散布や調査、測量などのほか、害獣の追い払いなどが挙げられます。
九州大分では、サルによる農作物被害を防止するためにドローンの活用が試みられています。
タカを模したドローンを飛ばしてサルを追い払うものです。
大分市は、野生のニホンザルの餌付けで知られる高崎山自然動物園周辺で、群れに属さずに山を下りて農作物を荒らすサルを、天敵のタカを模した小型無人機ドローンを飛ばして追い払う取り組みを続けている。
「田ノ浦地区は県内最大のビワの産地。観光も大事だが、被害を少しでも減らしたい」。県農業協同組合のビワ担当、阿南智浩さん(36)は訴える。市によると、高崎山の東側に位置する田ノ浦地区は、ビワやイチジク、ミカンの生産が盛んだが、サル被害に長年悩まされてきた。
サルによる農作物被害に対する市の補償額は、2015年度が590万円、16年度が393万円。自然動物園内で餌を食べない「離れザル」が100匹程度生息するとされる。
ドローン使用はこれまで4回で、ビワの収穫期の5月末に開始。目やくちばしなどを付けてタカを模したドローンにサルのぬいぐるみをつり下げ、録音したサルの悲鳴をスピーカーから流すなどした。サルが捕食される状況を再現し、怖がらせる作戦という。
市は昨年9月、鷹匠がタカを飛ばして追い払う方法を試した。一定の効果はあったが、タカを思った場所に飛ばすのが難しく、ドローン使用につながった。
ドローンでは具体的な効果はまだ不明だが、本年度の農作物の被害報告は減っているという。市は本年度内に約20回実験し、効果を検証後、来年度の本格運用を目指す。
市林業水産課の滋野慶造課長は「何を搭載すれば最も効果的か探りたい」と意気込んでいる。
2017年8月13日産経新聞より引用
農水省によれば、平成27年の動物による農作物被害額は176億円に上るとされています。
また、農作物に限らず、害獣による人的物的被害も少なくなく、ドローンの活用による被害防止が期待されます。