それまでの個人農業を法人化するにあたって、農地を設立した法人に引き継ぎ、あるいは貸し付けることとなりますが、所有している農地の全てを引き継ぎ、貸し付けると、その後に個人として農地を取得しづらくなる場合があります。
すなわち、農地を取得するには、営農面積が原則50アール(約5000㎡)以上必要ですが(農地法許可の下限面積要件)、法人化の際に所有農地の全てについて法人へ引き継ぐと、営農面積はゼロとなります。
このため、法人とは別に個人で新たに農地を取得することを希望した場合、取得面積が、例えば10アールだと、下限面積要件を欠き、農地を取得することができなくなります。
これは、法人化にあたって農地を貸し付けた場合でも同様です。
営農は借り受けた法人が行っており、個人としては農地の所有権は有していても、営農面積はやはりゼロとなるためです。
そのため、法人化後も個人として農地を取得することを希望する場合、農地のうち50アールについては手元に残しておくのが無難です。